バンドは人生の縮図ロック雑誌を賑わせる、「○○××、脱退!!」のニュース。初めのころは一喜一憂していたが、そのうち慣れてしまった。いやそんなに覚めた目でバンドを見れるほどまだ大人じゃないか。 考えて見れば私の好きなバンドは全て「ヴォーカル脱退!!」の憂き目にあっている。スキッド・ロウしかり、ロイヤル・ハントしかり。 そんなニュースを聞くたび、改めて「バンドは人生の縮図」という自論を確信するのだ。バンドを組むときは、仲良しだったり昔からの知り合い同士が組むことが多い。(オーディションで決めることもよくある) 共通の目標。「プロデビュー」というとてつもなく大きな夢に向かって突き進んでいく。運良くデビューできるのはほんのひと握りだが。ここからが本当のスタートだ。やがて次の目標「スターダムにかけあがる」という、これまたでっかいゴールにむかってひた走る。そして、成功がもたらされた時、バンドのメンバーはそれぞれ違う方向をむき始める。 たいていの場合は、音楽性の違いだ。専門的なことは良く分からないが、興味の対象が変わってくるのだ。これはファンの私達にも言えることで、何年もずーっと同じタイプの曲しか聴かない人はむしろまれではないだろうか。 あとはエゴだ。バンドでの成功を自分自身の実力だと過信してしまう。これはヴォーカリストに多い。 それで、独立営業して成功できる人は本物のスターだ。企業社会でいうなら、社長になれる人だ。 バンドは会社のようなものだ。同じ会社(バンド)に長く勤める人もいれば、転職(バンド脱退→加入)を繰り返す人もいる。 その結果、成功するか、失敗するか。神のみぞ知る、だ。 フロントマンにさられたバンド、これもまた痛々しい。変わりのすご腕を雇えればいいが、前任者がキレ者すぎて次の役員(メンバー)がもの足りなく思えることもよくある。バンドリーダーが人事手腕を発揮して、前任者以上の者をヘッドハント(加入)させる、バンドもあるが。 ファン(消費者)としては不安ながらも、その会社(バンド)のより一層の発展を信じて応援するしか道はない。(要するにアルバムを買い、ライブに足を運ぶ。ラジオにリクエストするetc..) 前任者にこだわりすぎると、バンドもファンもド真ん中にある「音楽」という大局を見落とすことになり、結果、倒産(バンド解散)の結末が待っているのだ。 もちろん、音楽性を見極めずにメンバーを安易に選んでしまったバンドには未来はないが。 ウルフルズのトータス松本が音楽性の違いから安易に解散しようとしてしまうバンドについてこんな風にTVで語っていた。「おまえら、10年まて。10年たてばそれぞれの個性がまじりあったええ味が出てくる」と。
|