ロックの救世主？ THE DARKNESS今日も仕事は適当に忙しい。お昼すぎ、「かったるいなー」と思いつつ、会社でキーボードをカチャカチャとたたいていた。カチャカチャの音に乗って、耳の奥から「オー、オッ、オッ、オッ…」の心地よいファルセットのヴォーカルが響いてきた。ん？この歌なんだっけ？あっ、そうそう昨日聴いたザ・ダークネスの歌だ。 仕事を終えて家に帰る。すでにセットしてあるＣＤのPLAYボタンを押し、６曲目を選ぶ。 「そうそう、これこれ、この曲。Givin' Upっていうんだ。」とひとりごちる。この歌の心地よいフィーリングに身をまかせる。。 ザ・ダークネスはラジオの番組から知った。「ダークネス、なんかおどろおどろしい名前だなぁ。」と思ったのに、DJ（泣く子も黙るメタルマスター伊藤政則氏）があんまりダークネス、ダークネスっていうもんだから、名前だけはしっかり覚えてしまった。 この番組もそう熱心に聴いているわけでもなく、肝心の音より噂が先行し、「ファルセットヴォーカルが凄い。」とか、「コンサートに来たプレスも取材を忘れて踊りだす。」とか「イギリスのチャートではNo.1」という話を聞いて、俄然興味を持ってしまった。 その間にルックスもしっかりチェックした。あのキャットスーツにはびっくり！！ これまた偶然が重なって、たまたまナイト・レンジャーの先行予約がないかなぁと例のラジオ番組を聴いてみたら、ザ・ダークネスの先行予約をやっていてTELをかけたらつながってしまった！ でも音ってファルセットの部分をチラッと聴いただけで、ほとんど白紙状態。それなのにチケットを購入してしまったのだ。 買う前は、「どーしよー、音も知らないバンドのチケットを買うなんて無謀すぎるー。」とかも思いつつ、それでももうひとつの心は、「でも、チケット買わなくてアルバム聴いて目茶苦茶よかったら、きっと後悔するでー。」とかと葛藤して、音がもし「はずれ」なら、チケット売ればいいわ、と開き直った。決め手は「80年代風の音を出すバンド」という一点だった。 10月18日、待ちに待った「Permission To Land」発売日。早速レコード店に行き、HR/HMのコーナーでCDを探す。すぐ見つかったけど、手に取るのはちょっと…、裸の女性の後姿がアルバムにあしらわれていて恥ずかしかった。レジに持って行くのも恥ずかしかった。といいつつ、もう１枚のCDはアーク・エネミーの「Anthems Of Rebellion」だったりしたけど。（笑） 翌日、CDを開封した。「そういや、新しいCDって久しぶり。最近は10年くらい前のCD（主に北欧モノ）ばっかり聴いてたからな。」と思う。CDをプレーヤーにのせ、真新しいCDがくるくると勢いよく回転を始める…。 １曲目、わりとありがちなオープニングなんだけど、「ふーん、ダークネスってなかなかいいじゃん。」とかって思う。 ２曲目、３曲目と聴き続け、初め腕組み状態で聴いていたのに、自然になんか楽しい気分になってきて。それにしてもジャスティンの声には笑ってしまった。結成当時プログレバンドを志向していただけあり、演奏の方はしっかりしている。楽曲はいろいろなバンドの具材を大鍋でごった煮にして、かき混ぜ、「はい、どーぞ。」って差し出されたスープみたいな感じ。もちろん鍋をかき混ぜているのはジャスティン・ホーキンス！ そのお味は…。とびきり熱い、懐かしいのに新しい、クセもあるけどイヤ味のない不思議な味。ファルセットヴォイスのスパイスがこのスープをひと味もふた味も違ったものにしているのは間違いない。上手くいえないけど、凄いね。このバンド。 わりと覚えやすいメロディ満載かと思いきや、何故か耳に残る印象的なメロディはなく、アルバムを聴き終えた。 ともかく、「やっぱり、チケット買ってよかったー！！」と思えたのでほっとひと安心。 「印象的なメロディ」はなかったと思ったのに、冒頭で書いたように「Givin' Up」が仕事中に頭の中に流れてきて、忘れられなくなってしまった。CDを聴きかえしてみると、ジャスティンの声が特異すぎてメロディが複雑に聴こえるのかしらん？と思える。 もうあと、１ヶ月余りで「珍獣」（失礼！）が来日する。生の彼らを見るのはすごく楽しみだ。ハッピーでセクシーな彼らと対面するのが待ち遠しくてならない。。
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