クアトロが燃えた夜 SILVERTIDE LIVE IN OSAKA |
クアトロが燃えた夜 SILVERTIDE LIVE IN OSAKASILVERTIDE @ 心斎橋クラブクアトロ 2004/10/18 Mon2004年10月18日(月)。心斎橋クラブクアトロは、秋だというのに凄い熱気に包まれていた。サマソニでのライヴも記憶に新しい「ハードロック界期待のニューカマー」、SILVERTIDEの日本での単独ツアーがここ大阪からスタートするのだ。 りっちぃが会場にたどり着いたのは、午後18:30。まだまだライヴが始まるまでは間がある。会場には早くから大勢のロックファンが詰め掛け、テーブル席にいたってはもう選ぶ席もない。あぁ、テーブル席でじっくり見るのが夢なのに、いつになったら「大人なライヴの楽しみ方」ができるようになるのかしらんと、思いつつテーブル席の後ろに立ってみる。ステージはよく見えるけど、でもじーッと立っているのはなんか辛そう。とやっぱりフロアに向かった。 右のPA前過ぎると後で耳がヤラれるので、やや中央よりを確保。観客は20代〜30代くらいが多そう。女性よりは男性ファンのほうが少し人数で勝っている。 ライヴ前のウォーミングアップ曲は、まるで知らない曲だった。アメリカ人ならわかるナンバーなのかもしれないけれど。 個人的には、もうちょっと知っている曲がかかっても、とちょい不満。 午後7:00過ぎ、暗いステージにメンバーがおもむろに登場。一発目の曲は「Devil's Daughter (悪魔の娘)」!じっとしてなんかいられないウォルト(vo)は早くも右へ左へとステージを動き回ったり、エアギターを弾いたりしている。彼にはこのステージは狭過ぎるのだろう。フロアのオーディエンスも一曲目からジャンピングで応酬する。まるで波に揺られているようにクアトロの床がゆらゆらと揺れている。ジャンピングしたくても出来ない(実はちょっと腰を痛めている)りっちぃは、その揺れに身を任せるのが精一杯。 オーディエンスの頭が波のように動き、その波間からウォルトが見える。よく見えなかったけれど、ウォルトもジャンプしていたみたい。 バンドの演奏も安定している。音が悪いのはクアトロだからしょうがないとして。サマソニでは全く曲を知らなかったけれど、今回は曲を充分に聴いていったので、ライヴでの「アルバムの音の再現性」の高さは立証された。というか、彼らの場合はこのライヴ感がそのままアルバムになっているんだけれど。でも、ウォルトはサマソニの時の方が声が出ていたように思った。 一曲目が混乱の内に終わり、ウォルトは観客の予期せぬ熱狂ぶりにビックリしたようで、「Thank You!」とだけ言った。 二曲目は、「You Want It All」。アルバムの10曲目でノリノリのロックンロール。「You Want It All!」のコーラスパートはみんな大声で叫んでいた。やっぱりこの曲も観客は激しいジャンピングで楽しんでいた。(ほんとは私もしたかった…) 二曲目が終わり、ここで始めてウォルトの肉声が聞けた。「Do You Have Some Fun?」もちろん、観客の答えは「Ye〜s!!」 でも、ほんとは「ノッテルー?」とか「コンバンハ」とか片言でいいから日本語で話して欲しかったんだな。というのは私のワガママか?まっ、彼も忙しいことだし、それは次回に期待しよう。 ニックのギターから始まった次の曲は、「Blue Jeans」。息をつく暇もない曲なのにウォルトはホントによく動く、前列のオーディエンスのほうに乗り出してきたりもしていて、ファンサービスも忘れない。 ケヴィンのドラムスの重低音がバンバンと響き渡る。あっ、「California Rain」だ。キャッチ-でわかりやすい王道ナンバーで観客の受けもよかった。この曲はりっちぃも大好き。サビの「California〜」は、みんなで大合唱。やっぱりライヴはこうでなくっちゃ。 曲が終わって、ウォルトは「今夜は、僕達の初めてのヘッドライナーショウだよ。」みたいなことを言い、みんな楽しんでるかいーっていう挨拶をし、「次の曲は、Show & Tell」というようなことを告げる。(もっと英語力があればよいのに…。。勉強します。) 「Show & Tell」と紹介されたナンバーは、本当にはじめて聴く曲でノリがよいということもなく、70年代ロックの薫りのするアンダーグラウンドな感じのナンバー。EPに収録されていた曲かも。一部の熱狂的なファンには歓迎されたけれど、みんなそんなに知らない曲らしく、観客の反応もイマイチだった。 ドラムスのケヴィンがステージに残され、彼のショウタイムが始まった。ドラムソロなんて最近のバンドは全くやらない。りっちぃはこの人のドラムスの音が結構好きで、テクニック的なことは分からないけれど、強弱のハッキリしたドラミングで様々な奏法を駆使した飽きさせないものに仕上がっていた、合間に観客を煽ったり、決して自分一人の世界にこもらないところはとても好感が持てた。 他のメンバーがステージに戻ってきて一編のカバーソングが演奏された。でも、まったく曲がわからない。なにか置いてきぼりにされたような気がする。ウォルトは必死にタンバリン(!)を叩き客を煽るが、この曲も反応が悪かった。アメリカ人ならよく知っている曲なのかも知れないけれど。 個人的な意見で恐縮だが、日本でのカバーソングはやっぱりもっと皆がわかる曲にしたほうがよいのでは。。 ニックとマークのツインギターの音に導かれて「Foxholl J.C.」が演奏された。ウォルトも大阪のオーディエンスに慣れ、ライヴもいよいよ白熱してくる。ニックのギターも絶好調だ。途中の破壊的なギターソロもバッチリ決まっている。姿は見えないんだけれど、ピアノの綺麗な音もアルバム通り。ブリッヂパートもいい感じだ。そしてこの曲のハイライト、「War War What Is It For?」のコーラスパートは観客が歌い、「You're a foxhole Jesus!」はウォルトが歌う見事な掛け合いになり、この日のライヴのハイライトとなった。 ドラムスのケヴィンに続いては、お約束のニックのギターソロだ。サマソニで観た時はコンパクトだったギターソロも今日は少し長い。でもそんな長さを感じさせない驚愕のテクニックぶりだ。さすが、小学生からギターを弾いていた天才少年! きっと新しいギターヒーローになっていくだろう。 ギターソロが終わり、次の曲は聴き覚えがあるようなないような、しばらく聴いていると、「To See Where I Hide」だった。ウォルトのヴォーカルも音程がちょい狂っているし、バックの演奏もなんとなくたよりない。他の曲の再現性が高いだけに、この曲の再現性の低さにがっくりきた。難しい曲なのかな。 それを取り戻すように、次は「S.F.C」で畳み掛ける。リズムのしっかりしたこの手の曲はライヴで一段と映える。前の曲がイマイチだったので余計に。暑くて堪らなかったのかウォルト、ついに上半身裸になる。真っ白い肌に右腕のタトゥーがくっきりと浮かび上がった。曲中、エキサイトしたウォルトはついに自らダイヴを決行!初めて、ヴォーカルが自分でダイヴするのを見たよ、私。つられてフロアの暴れ隊観客2名がイルカに変身!ちゃっかりステージ前まで行っていた。 まっ、激しい曲だからね。 「ジャパニーズ・オンリーのボーナストラックだよ。」というように紹介され、次はなんと「Adult Child」を演ってくれた。 「アドゥルト・チャイルド」と言うウォルトの英語の発音がカッコいい!今でも耳に残っているよ。ブライアンのベースのリズムが重厚なこのナンバーはライヴでもいい味を出していた。曲間で、ベース、リードギター、ドラムスのジャムが披露されたのも新鮮だった。この曲もピアノパートはリズムギターのマークが担当しているようだ。(よく見えないんだけれど) 着替えてきたウォルト。今度は黒いTシャツを身に着けている。なにやら日本語で縦に四文字書いてあるのだけど、よく見えない。 そういや、ウォルト、これが多分4回目くらいの着替えじゃなかったか。 そして、いよいよショウのクライマックス、「Ain't Comin Home」の演奏が勢いよく始まった。アルバムのオープニングを華々しく飾るこの曲、やっとここで披露された。フロアオーディエンスは一段と体を弾ませる。りっちぃも曲の最初のほうでちょっとジャンプしてみた。やっぱりジャンプって楽しい(笑)。サマソニでは高いところに登ったり、「ワイルド!」なパフォーマンスを見せてくれたが、クアトロじゃ無理なのかな、と思っていたら、曲中ステージから降りたウォルト、お供を連れず全く単身でフロアを縦断し始めた。これには驚いた〜。観客は我先にウォルトに近づこうともみくちゃ状態に。りっちぃも頑張って背中に触れることが出来た。ウォルトも髪や肩や、体中を触られたり、女の子に抱きつかれたりもみくちゃ。ようやくフロア縦断を終えると、次の瞬間、ひょいとバーのテーブルの上に乗り、立ちあがった!!長身のウォルトが一段と大きく見える。彼に高いところから見下ろされ、観客は熱狂!!ほんの数十センチ先でウォルトの青い瞳がこちらを見つめている。なんか夢のよう。(これはちょっとオーバーか。)でも、不思議なことによく見るとウォルトは何故か観客の誰とも目を合わしていない感じ。何かに執り憑かれているような目をしていたのがとても印象的だった。 これだけでも凄いことなのに、ウォルトはさらに両手を上に伸ばし、天井の梁をさぐっている。掴めそうな梁を見つけると、それにつかまり、「空中ブランコ!」状態に。と言ってもホントに「ブランコ」したら怪我人が出るので、慎重に細心の注意を払って観客の頭上でぶら下がっている。みんなはあまりのことにあっけに取られていた。触り放題だったけれど。それにしても、彼の運動神経はすごい。ミュージシャンにならなかったらスポーツ選手になっていたのかも。 ウォルトはそーっと、静かにテーブルの上に「着地」し、お帰りは歩きではなく、ステージ側に足を向け仰向けの状態で観客の上を滑るようにゆっくりと観客に運ばれて行く。その姿はさながら「小人に運ばれるガリバー」みたいだった。この時も、ブーツに触ったり、足に触ったり出来た。ホントに間近で彼を見たけれど、執り憑かれたような「無表情な瞳」をしていた。(ひょっとして陶酔していたのかも。) 熱狂のライヴもいよいよ終盤。「Do You want hear this song?」、「Mary Jayne!!」と舞台に戻ったウォルトが叫び、演奏が始まった。 多分、この曲を待っていたファンも大勢いたと思う。「Mary Jayne」はバンドの代表曲なので、ショウのラストには相応しい。途中、ウォルトが黒いTシャツ(実は、「割箸刺青」と書かれていた。)を脱ぎフロアに放り投げると、フロアの4、5人のロックキッズが壮絶な奪い合いを繰り広げていたのが見えた。※実はじゃんけんしていたんですね、失礼しました。 演奏が終わり、なんかよくわからないうちにショウは終わってしまった。最後はメンバーの紹介もちょっとあったりもしたかな。 アンコールって別になかった、「Mary Jayne」がアンコールだったのか、どうなのか。 あっ、そうそう。ライヴ後、メンバーが何か投げてきたので取ろうとして取れなくて。ふと床を見るとそこには、なんと「割箸(!)」が落ちていた。。 もし、ウォルトの「身体を張った演出」がなかったらこのショウはどうだったのか、ふと考える。実は、そういう曲以外の部分を強く求めていた自分に愕然とする。まぁ、そんなに考えなくてもそれもショウの内だからとも思うけれど、これから年齢を経て彼らがロックバンドとして生き残っていくには、ステージそのものでもっと聴かせる要素がないといけないなぁとも考える。 でも決して実力のないバンドじゃないから、いい曲さえ書ければきっと生き残っていけるだろう。 次に会う時はもっと大きなステージで、「危険を伴うパフォーマンス」によらないスケールアップしたライヴを見せて欲しいと心から願っている。と、書きつつやっぱりウォルトの「身体を張った演出」に期待してしまう自分自身がいる。ロックファンってそういう「性(サガ)」なのかもしれないなぁ。どうしようもないや。(笑) ♪SET LIST♪ 01. Devil's Daughter(悪魔の娘) 02. You Want It All 03. Blue Jeans 04. California Rain 05. Show & Tell 〜Drums Solo 06. cover song ※注意:cover songではなくShow & Tellの続きらしいです。 07. Foxholl J.C. 08. To See Where I Hide 〜Guiter Solo 09. S.F.C 10. Adult Child 11. Ain't Comin Home 〜encole??〜 12. Mary Jayne 2004年10月20日着手 |