洋楽輸入盤を守れ!!音楽も自由に楽しめない時代がくるなんて。これが今の正直な気持ちである。最初は「邦楽CD海賊盤の規制か、洋楽は関係無いな。」と思っていた。ところが突然、「洋楽の輸入も禁止できる」ようになる可能性もある法案改正だと知らされた。それどころか本当の目的は、「洋楽CD海外盤輸入禁止」がレコード業界の(一部の人間だと思いたいが…)狙いであるかもしれないとわかってきた。この問題を聞いてふと心に蘇ってきた記憶がある。1991年に「洋楽新譜CD1年間レンタル禁止」が決まったとき。 当時会社帰りによく行っていたレンタル店に足を運ぶと、店内に「洋楽新譜CD1年間レンタル禁止」の張り紙が!特別欲しいCDでなければレンタルで気軽に新譜を聴いていたのに…。 突然の不意打ちに驚き、「これからは聴きたい新譜を買わなきゃならないのか…。」と途方に暮れた。 その後、その店は潰れ(結構大きな店だった)、他にも2店よく行っていたCDレンタル店が倒産・閉店に追い込まれた。レンタルが出来なくなったので、確かにCDの購入数は増えたが、「自分の最も好きなジャンル=ハードロック」のCDばかりが気が付くと増殖していた。CDを気軽にレンタル出来なくなったのも多少は関係しているに違いない。(こじつけかな、これは。) もう、そんな思いはすまい。13年前とは違いインターネットの爆発的な普及により、瞬時に情報が手に入るようになった。気が付いた時は遅かった前回とは違い(CCCDは知らなかったけど。。)今回はまだ反対の余地が残されている。 でも、何をすればいいんだろう?手始めに、知人に「メールでお知らせ」をやってみた。あまり反応がない。というかみんなあんまり洋楽に興味がないのだ。それから、BBSに書きこみをしてみたり。反対サイトのホームページを毎日見ているだけじゃなく自分も何かしなければ、と気持ちばかりが焦る。 それから1週間が経ち、取り敢えずチラシ&署名を印刷して、家族に説明した。なかなかわかってもらえない。チラシだけでは説明できないので、補助資料(E-mail送信用でサイトに載っていた文)を付け、国内盤CDと輸入盤CDを両手に持ち説明した。なんとかわかってもらえた、よし、コレならいける。 翌日の昼休み、職場の洋楽好きの子に説明した。彼女はかなり驚き、「絶対、反対です。」といってくれた。彼女は私にとっての署名第一号になってくれた。署名活動は順調に行かず、会社での署名は実は禁じられているので、おおっぴらには出来ない。 それでもチラシ配り兼署名オフが大阪心斎橋のタワーレコード前で行われると聞きつけ、やる気まんまんだったが。。。 そのオフ、何故か中止されてしまった。警察に申請してなくて問題が起こってしまったのだろうか。仕方ないので自分で集めなければならなくなった。初めは「何であんたがやらなあかんの?」と言っていた母も近所の人の署名を早速集めてくれた。すごい素早い行動力! 私の署名は全然集まらないし、途方にくれて友人に電話したら、彼女がこう言った。「一家族4人くらい書いてもらえば、20人位すぐ集まるやん。」そうか!その手があった。それで気が少し楽になり、頑張って集めようと決意を固めた。 本当はタワーレコード前でチラシ配りをしているはずだった日、以前の職場に行き、そこの人たちから署名を集めた。姉にも協力してもらい、姉の通う習い事の人たちにも書いてもらった。そして、夜。会社の人の結婚式の2次会。 実は、そこでも署名を集めることを相談してあった。初め受付の横においていたのに、誰も見向きもしない。なんかがっくり。。 2次会が始まり、司会者の人の「署名集まりました?何かおっしゃいますか?」の一言があり、えーっつ?とたじろいだけど、「やります。」と意を決してステージの方に歩いていった。 マイクを持って話すのなんて何年ぶり?緊張で手が震え、同時に声もよく出ない。「この度は…(中略)政府とレコード会社の陰謀によって…」とかなんとか、支離滅裂なことを口走り、取り敢えず終了した。みんな飲み食いに必死で誰も聞いていないみたい。 署名も集まらないし、半ばヤケクソになり普段あまり飲まないお酒を結構飲んでしまった。 2次会終了後、新郎の好意で「出口の外で署名をお願いしますか?」と言われ、またまた「やります。」とクリップボードを持って外に出た。 それからは無我夢中で出てくる人一人一人に声をかけ、「署名をお願いします。」と言いまくった。会社の女の子が協力してくれたので、2人で署名を渡し書いてもらい「ありがとうございました!」とお礼も忘れない。中には「頑張ってください」と励ましてくれる人も沢山いた。 友人、知人、会社の人、前の会社の人には頼んだ。あと、残るのは?近所の人たちだ。 署名を送付する前の日は、遂に近所周りをすることにした。近くのクリーニング屋さんの「近所の人にお願いしたらいいやん。だめやったらすみませんって帰ってきたらええねん。」のアドバイスで決心した。 一軒、一軒回って説明するのは実はかなり大変だった。近所やから楽やろう、なんて思ってたけど実際は違った。説明なしに署名してもらうことなんてありえない。チラシを持参し、問題を説明し、その上で納得して署名を書いてもらわないとならないのだ。 でも、近所の人はありがたい。何故か誰一人拒否する人はいなかった。常日頃は近所づきあいを軽くみていたけれど、よく言ったもんだ「遠くの親戚より、近くの他人」って。 色んな人の善意でなんとか恥ずかしくない数の署名が集められた。本当に多くの人たちに助けられたと心から感謝している。 こんなに真剣に何かをしなければと思ったことなんてない。まるで何かに突き動かされるように突き進んでしまった。 だから、今は腑抜け状態になっていたりして。(笑) いやいや、そんなこと言ってられない。最後まであきらめず、この問題に目を向けていきたい。 「洋楽輸入盤を守れるのか?」答えはまだ出ていない。でも、「守りたい!!」と心の底から私は願っているのだ。
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