Hoobastank の親日ライヴHoobastank @ Zepp OSAKA 2004/01/11 Sun2004/1/11(日)午後3:00過ぎ、南港はもの凄く寒かった。南港に来るのは去年のサマソニ以来だから5ヶ月ぶり。コスモスクエア駅で降り立って、ATCを見ているとあの夏の思い出が蘇ってくる。。。 午後、4:00過ぎ。ようやく寒い外から開放されて中に入る。初めて入るZeppは噂どおりのデカイ箱だ。 ステージ一番奥には赤い幕があり、お馴染みの無限大のバンドシンボルが中央に掲げられている。 開演までのBGMは彼らのお友達?のような若手バンドの知らない曲ばかり。まぁ、私が知らないだけなんだろうけど。 午後5:00、開演のアナウンスがあり、ほどなくして場内は暗転。聴き覚えのある曲が聞こえてきた。そう、ライブ一発目は、新作「THE REASON」のオープニングナンバー、「SAME DIRECTION」だ。 ライヴまで何度も聴き慣れ親しんだこの曲を聴きながら、前方のオーディエンスの盛り上がりをみてるうちにじっとしていられなくなり、気が付けば柵をくぐりダンスフロアに躍り出てしまった。根っから「ライヴ体質」の自分に苦笑してしまう。 バンドの演奏は、アルバムでの演奏レベルに肉迫する忠実さで音を再現している。ヴォーカルのダグラス・ロブも声が良く出ている。一曲目からかなり調子が良さそうで、「今日のライブはいいライヴになりそう。」と期待は高まってくる。 ヴォーカルのダグは、見た目は「まるで日本人」の日系人。1曲目の後、観客の声に反応し、「ナニ?」と日本語で返してくる。これで一気に親しみが増すのだ。 2曲目からは1stと2ndの曲を交互に演奏していく。曲間ではダグの日本語、「上手ネ。」とか、「スゴイ、スゴイネ。」などのMCが炸裂し、思わずゲラゲラ笑ってしまう。 5曲目、「RUNNING AWAY」でライヴは一度目のハイライトを迎えた。曲のイントロからジャンプし、拳を振り上げる観客。ダグも拳を振り上げ観客を煽り、声を限りに歌う。対照的にギターのダン・エストリンとベースのマーク・ラッパライネンは、もの凄い集中力で淡々と演奏をこなしていく。 注目すべきは、ドラムスのクリス・ヘッセ。もの静かそうなジャケット写真のイメージを大きく覆す、アグレッシヴかつパワフルなプレイで激烈なビートを叩き出している。彼の一分のスキも見せないドラミングにはただただ驚嘆させられた。 激しい曲調から変わって、青と紫の幻想的な光にステージは包まれ、新作のタイトルナンバー、「THE REASON」が披露された。Zepp Osakaの高い高い天井を見上げて、ダグのやさしい歌声に包まれていると何ともいえない安らいだ気分になってくる。 和やかな雰囲気は一転、情熱的な赤い照明になり、ステージの後方では無限大のシンボルが煌々と照らしだされ、新作屈指のスピードナンバー、「JUST ONE」の登場だ。この曲だけは一緒に歌えるようにと付け焼刃で練習したものの、とても速くてついていけない。それにジャンプしながら拳を振り上げるのに精一杯。コーラスの「J〜ust O〜ne〜」はみんなで大合唱になった。ダグもこの部分はあまり歌っていなかったみたい。最後の「Just One!!」の咆哮はアルバムどおりバッチリキメて欲しかったんだけどな。 楽しい曲調の「READY FOR YOU」に続いて、パンク寄り?のナンバー「Give It Back」へなだれ込む。アルバムよりもかなり激しくヘヴィなアレンジだ。でも全然演奏が荒くならないのは、彼らの実力の為せるワザなのか。今日はイルカはいないな、と思っていたらここで1人目のダイバー出現。続々続くかと思いきや、そんなことはなくホッとする。ダグはこのダイブ野郎に笑いながら手を差し出していた。優しい人なんだね、ダグって。 曲が終ってステージ上に一人の日本人女性が現われ、ダグに抱き寄せられた。あれ誰?と思って見ていると、ダグが「ボクのお母さんです。」と紹介し、えーっ!?と思う。 お母さんはエイコさんというらしい。ダグはお母さんの頬にキスをしてあげていた。お母さんのエイコさんは、「いつもフーバスタンクを応援してくれてありがとう。」とかなんとか言っていた。微笑ましい光景だった。でも、ライヴで母親を紹介するなんて、個人的にはありえないとやや批判的になったりもした。 ダグが、「全米No.1ソングだよ。」と言い、「In The Morning♪…」とア・カペラで歌いだしたのは、なんとシンディ・ローパーの「GIRLS JUST WANNNA HAVE FUN」。しかも声はファルセット!ダグの普段と違う声にびっくりしつつも、やっぱり歌上手いなーと感心したりして。これに続いて「OUT OF CONTROL」が演奏される。前半飛ばしすぎて息が上がってきていたダグも、シンディの物まね?のあと調子を取り戻し、再び好調になってきた。気が付けば会場の音量もライヴ開始時の倍くらいになっている。 「UNAFFECTED」、「PIECES」、「NEVER THERE」、「LET IT OUT」などのナンバーが立て続けに演奏され、私達観客も飛んだり跳ねたり歌ったりと大忙し。本編最後の曲は、「REMEMBER ME」。これも「Part Of Me〜」のところは大合唱に。結構みんな歌知ってるんだね〜。 本編終了後、暗いステージに現われたのは、先ほどのダグの母エイコさん。彼女の「もっと、聴きたいですか?」の呼びかけがアンコールの合図になった。 アンコール1曲めは全然知らない曲。その後、「気に入ってくれると嬉しいんだけど。」のダグの言葉の後、また1曲演奏され、最後に、「今日ラストのナンバーです。」と紹介されたのは、Hoobastankのブレイクの導火線となった曲、「Crawling In The Dark」。曲の途中で、加藤さんという友人?が紹介され、マイクを向けられた加藤さんは英語の歌詞を見事に歌ってやんやの喝采を浴びていた。やっぱり親日バンドだー、ということをますます実感した一幕だった。 後からわかったことだが、加藤さんはユニバーサルミュージックのA&Rということだった。どーりで歌えるはずだ。 演奏が終ると、ダグは最後の挨拶で、「アイシテイマス」と、日本語で自然に話してくれた。そういえばライヴ中も、何度か曲間に「アイシテイマス」と言っていたダグ。 ステージを去っていくメンバーからピックが飛んできたり、ドラムスティックが投げられたり、というのは他のバンドと変わらないんだけど、珍しいのはSET LIST数枚(!)が宙を舞ったことかな。あー私も欲しかったなー。 ライヴを振り返ってみてあれこれ考えると、ギターのダンがシャツから黒いTシャツに着替えただけで、他のメンバーは誰も着替えたりしなかった。フロントマンであるダグラスも着替えない。なんかそういうところ不思議だなーと、思ってしまった。飾らない彼ららしいのかもしれないが。 フロントマン、ダグラスは他のメンバーとのからみはほとんどなかった。だから、ダグラスとそのバックバンドのようにも感じた。唯一アンコールのとき、ベースのマークの肩につかまり何かささやいていたりしたけど。 ことさらにチームワークを強調しないのが今風なのかもしれない。 プレイはかなり上手なのに、ギター&ベースジャムとかもなかったし、ドラムソロもなかった。 あと、個人的な意見だけど、ダグラスを見ているとワールドカップでのオリバー・カーンを思い出した。あのドイツチームのようにみんなダグラスに頼っている感じ。ギターもベースもフロントにいるんだから、観客と積極的にコミュニケートして、ダグラスをフォローすればもっともっといいライヴになるのになーと思う。でもそう思っているのは私だけかも。 最後に、「ダグラス、おかあさんの紹介をするなら、メンバーの紹介もしなさい!」、なんてね。
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