最初で最後のROCKツアー「ローリングストーンズ初来日!!」。このニュースが日本中に走ったのは、もう10年以上も前のことなのだなぁと思う。ストーンズ初来日の思い出は、「ストーンズ観賞ツアー?」に参加したことだ。 1989年、ロック一年生だった私もストーンズのことはもちろん知っていた。来日が決定したこの年の冬、チケットを買いに行こう!と家を出ようと思ったら、母の「待った!」がかかった。「そんなしょーむないもん買いに行きな。」この一言であえなくチケットを買いにいくのを何故かあきらめた。発売日にチケットはソールドアウト!!そりゃ、そーだわ。天下のストーンズだもの。正に「猫も杓子もストーンズ!!」 チケットを手に入れられなかった私。あきらめきれずに仕事帰りにぴあにふらっと立ち寄ってみた。すると、カウンターの上のチラシがふと目に入った。「ストーンズぴあツアー 1泊2日(バス2泊) 12,000円」えっ?ストーンズのコンサートが見れるの?藁をもつかむ気持ちでチラシを持ち帰る。家に帰ってよく読んでみると、バスで東京ドームに連れて行ってくれて終演後またトンボ帰りでバスに乗るというやや強行軍のツアーだ。価格も12,000円とチケット代に+2,000円の出費だ。でもどうしてもストーンズを見たい気持ちが強くて、無理やり?姉を誘い、ツアーを申し込むことにした。 チラシを見てから数日後の会社の昼休み。意を決してその会社に申し込みに行った。ソファに腰掛け係りの人の説明を聞く。わりとまともな会社らしく、保険のことなんかも聞いてくれた。まぁ、国内だし、出費も痛かったので保険はかけずツアーに参加した。 いよいよ、ツアー当日。集合場所は屋上に恐竜のいるぴあビルの真正面。ストーンズファンと思しき人たちが集まってくる。参加者は圧倒的に野郎が多い。女子は少数だった。行きのバスは、ストーンズ25周年記念ビデオ「25×5」の上映会。といっても画面は普通のTVなんだけど。ストーンズファンは真剣に映像に見入っている。私ももちろん画面に釘付け。ストーンズファンだらけのバスは特別な空間と化していて自分もいっぱしのストーンズフリークのような気持ちになる。ビデオの中のストーンズは特に60年代の彼らの若さが眩しかった。 ビデオ上映会も終わり、就寝。これが寒い。窓際の席だったのですきま風が入って寒くて眠るどころではない。椅子も十分にリクライニングもできないし、もちろん枕もないし。バスは寝台バスのような上等なものではなく、まったく普通の観光バス!だったのだ。それでもなんとか着てきた上着をかけたりして眠った。途中休憩を2、3回したが、バスの運転手の対応がひどかった。「15分後に発車します。女の人はトイレが長いから遅れないように。」などと言われてしまった。今ならセクハラで訴えられるよ。(バス会社の名誉の為名前は伏せておきます。)多分、何人かほんとに置いて行かれた人がいたかもしれない。点呼もしないし。まぁそりゃないかな。 静岡、浜松などのサービスエリアを過ぎて明け方東京についた。高速道路で目が覚めた時に一番に見えたのはNTTのビルだった。あーっ、東京に来たんだー。とすごくうれしかったっけ。 バスは水道橋の東京ドーム前まで連れて行ってくれた。ここでまた終演後バスに乗るのだ。水道橋にいてもしかたないので、東京見物しようということになり、JR水道橋から電車に乗った。浅草やら原宿やらうろうろうろうろして、再び水道橋に戻ってきたのは15:30過ぎ! お目当てのストーンズグッズはほとんど売り切れ。ものすごーいショック。未だに憧れ、あの時ドームで売っていた「9タンTシャツ」(お馴染みのベロマークが9個並んでいるデザイン)。何年も欲しかったけれど、とうとう手に入れられず。。。(涙) コンサートは、「これがストーンズか!」っていう豪華さで大規模な仕掛けに驚き、ドームのデカさに驚き。それにしてもドームの音響は悪かった。音がスカスカで天井を抜けていく感じ。おまけにミック・ジャガー見えない。野郎が前にいたので、まったく見えない。仕方なく、スクリーンを見てた。スクリーンは2箇所か3箇所設置してあり、実物の「豆サイズ!」のアーチストを見るよりもよく見える。曲のセットはヒット曲満載って感じ。「STEEL WHEELS」アルバムの曲も何曲か。ほんとはそのとき、そんなにストーンズの曲知らなかったんだけど、有名どころは「ホットロックス1、2」アルバムでしっかり押さえてた。あんまり覚えてないんだけど、特に印象的だったのは、「悪魔を哀れむ歌」で、ミックがかなり高い仕掛けの上に突然登場したことかな。でもその時の会場の熱気は凄かった。自分はストーンズフリークスのツアーで来たせいもあって周囲の盛り上がりも凄かった。当時のストーンズのコンサートってほんっと、男性が多かった。2003年のツアーではかなり女性も増えてたけれど。どうして?? 終演後、9タンTシャツをあきらめきれないけど、なんせバスに乗り遅れたら大変なので、泣く泣くバスに乗り、一路大阪に戻って来た。帰りのバスでは寝れたかって? 東京であったかいストールを手に入れ、ぐっすり眠れたよ。でも足元は少し寒かったなー。 最初で最後のROCKツアー、大変だったけど今ではとても懐かしい。
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